Archive for the ‘本の紹介’ Category

『アルテリ』創刊

水曜日, 2月 17th, 2016

熊本で、ささやかな文芸誌をつくりました。

名前は『アルテリ』。

 

DSCN1472

 

 

 

『アルテリ』  定価 900円+税
A5版 全136P オールカラー

 

「熊本から雑誌を出そう。」
渡辺京二さんの一言で、熊本にゆかりのある作家や、文学を衰退させたくないという
思いを持つ者たちが集まり、雑誌『アルテリ』をつくりました。
「アルテリ」とは、「職人の自主的な共同組織」を意味する言葉。
何にも縛られない、自由な書き手のささやかな発信の場でありたいとの気持ちを込めて。
これまで数々の雑誌を手掛けてきた渡辺京二さんにとって、
もしかすると最後の雑誌になるかもしれません。
その思いを末永く受け継ぎ、文学の衰退に少しでも抗っていきたい、
そう願ってはじめました。

熊本には、石牟礼道子、伊藤比呂美、坂口恭平という
生命にみちたことばの発信者たちがいます。
彼らもこのささやかな文芸誌に手を差し伸べてくれました。
彼らが喚起する世界を受け継いでゆくことが出来る雑誌にしていきたいと思っています。

 

※販売・広告などのお問い合わせは、
下記・もしくはこちらのHPからメールでどうぞ。

※橙書店以外でも以下の店舗様でお取り扱いして頂くことになりました。
(在庫状況は各店舗様へご確認ください。)

 

熊本  長崎書店・長崎次郎書店・さかむら・カリガリ・手とテとて
福岡  ブックスキューブリック
北九州 ナツメ書店
長崎  ひとやすみ書店
宮崎  キママブックス
鹿児島 NEW ALTERNATIVE
大分  リベルテ・カモシカ書店
広島  READAN DEAT
大阪  スタンダードブックストア心斎橋店・blackbird books
京都  三月書房・ホホホ座・カライモブックス・恵文社一乗寺店
兵庫  1003・書肆スウィートヒアアフター
東京  青山ブックセンター本店・往来堂書店・オンサンデーズ・
東京  HADEN BOOKS・Title・本屋B&B・忘日舎・H.A.Bookstore
東京  Rainy Day Bookstore&Cafe・トロル・MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店
鎌倉  たらば書房
茨城  PEOPLE BOOKSTORE・未来屋書店イオンモール水戸内原店
愛知  ちくさ正文館書店
静岡  水曜文庫
高知  うずまき舎
鳥取  汽水空港
群馬  本とコーヒー麦小舎
愛媛  蛙軒

 

<アルテリ編集室>

熊本市中央区新市街6-22 橙書店内
tel/fax 096-355-1276(橙書店・orange)
担当:橙書店 田尻久子

読書の秋です。

月曜日, 10月 13th, 2014

台風通過中です。
しょうがないことですが、
あまりにも開店休業状態(昨日から)で、意気消沈しています。
事務仕事もうわの空なので、
気分転換に、本の紹介でも。

 

『女の一生』 伊藤比呂美 (岩波書店)

2014_1013_171537-R0012961

 

 

 

 

 

 

数々の彼女の著作で聴き続けたことばが、比呂美節が、
取捨選択され、整理整頓され、
何を訊いても「はい、これ」と差し出される。
一家に一冊常備して、
娘にも、主婦にも、働く女にも、読んで欲しい一冊です。
もちろん男性も読んで、
「ほう、女というのはこういう風に考えておるのか」と学習して頂きたい。
『MONKEY vol.4』 (スイッチ・パブリッシング)

2014_1013_174109-R0012964

 

 

 

 

 

 

 

毎回楽しみなモンキー最新号です。
いきおい全然衰えておらず、頭からさいごまで楽しいです。
村上春樹の「かえるくん、東京を救う」バンド・デシネ版は、
フランス本国より、一足先に掲載だそう。
でも、一番楽しみにしていたのは、ジャック・ロンドン「野生の呼び声」。
柴田さんの新訳で一挙掲載です。
ほかにも、池澤夏樹さんと柴田さんの対談あり、連載ものあり、
へたな単行本を1冊買うよりずっと充実している、といつも思います。
お買い得!

 

『雲の上に住む人』  関次廣・山内悠 (静山社)

2014_1013_171519-R0012960

 

 

 

 

 

写真家の山内悠さんが以前トークショーで語ってくださった、山小屋での日々。
写真とともに忘れられなくなりました。
その日々と、そこで四十年、富士山と登山者を見守り続ける山小屋の主・関さんの言葉を、
写真と一緒に山内さんが綴りました。
「山小屋は自然と人間の世界が交差するところ」そう語る関さん。
でも、山小屋にくるのは、自然に寄り添える人ばかりではありません。
わがままなひとや、無知なひと、山に迷惑をかけるひと、そんな人達もいます。
山へと向かう人たちが、関さんの言葉をかみしめて登ってくれればと思います。

 

『食べごしらえ おままごと』 石牟礼道子 (中央公論新社)
2014_1013_171600-R0012962

 

 

 

 

石牟礼さんの本を読んでいると、つい声がでる。
自分が住んでいるところは少し違うけど、とても似ている、
ここよりもう少し南の言葉を、口に出して喋ってみたくなる。
目で読んでいたのに、音になって耳に入ってきて、
目には文字ではなくて、
道子さんが食べごしらえの、そのことはじめにといだ米や、
盛られた刺身、団子にまかれたあざやかな茗荷の葉っぱが見えてくる。
耳には、赤子が死んだ日にひっそりと搗かれる餅の音、鼻には薬湯のかおり・・。
気付けば、器官を総動員して読んでいる。
もっと、たくさんの人に読んでほしいと、そう願います。

 

 

だらだらと書いているうち、台風一過。
晴れてきました。

2014_1013_173834-R0012963

 

“旅するブックシェルフ”の本

木曜日, 1月 16th, 2014

展示中のnakabanさんの”旅するブックシェルフ”から、本の紹介です。
いまさらですが・・・、あと少し展示中ですので、ご勘弁を。

「インド夜想曲」アントニオ・タブッキ
主人公の「僕」はイタリア人で、インドを失踪した友人を探している・・。
旅行記かと思えば、幻想と瞑想に充ちた世界へと誘われる。
インドという国の奥深さを、そこを浮遊するように体験させてくれる。

「終わりと始まり」 ヴィスワヴァ・シンボルスカ
詩というものがいまだによくわからない。
なのに、シンボルスカの言葉は水のようにするすると入ってくる。
と思っていると、さいごやっぱりわからなくなる。
でも、その言葉は確かに体に根を張ってしまう。

 

冬の本など

木曜日, 11月 21st, 2013

ずいぶんと本の紹介をしていないとご指摘をいただき・・。
どころか、ブログすらさぼっていました、すみません。

寒くなりました。
暖かい部屋で本を読むのがなんとも幸せだという声が聴こえはじめましたので、
冬の本など、いくつか。

「真穴みかん」 広川泰士

愛媛県八幡浜市、真穴というところで作られる真穴みかん。
みかんそのものと共にカメラがとらえるのは、日本の原風景。
収穫する手、道具、着古された衣服、
鈴なりのみかん、暮れていく入江、
どの写真も、ああこれを私は知っているという気持ちにさせられる。

熊本で生まれ育ったので、冬と言えばみかん。
ばあちゃんに、みかん食べるから持ってきてと言われて1個持っていくと、
”1個てあるかい、2、3個持ってこんかい”と怒られたことを思い出した。

「火を熾す」 ジャック・ロンドン

短篇小説の名手ジャック・ロンドンの200を超える短篇の中から、
翻訳の名手柴田さんが、選りすぐって翻訳した短編集。
表題作の「火を熾す」は極限の寒さの中で、
死へと追い込まれていく人間を描いた傑作。
極限の寒さを想像しながら、ストーブの前でぬくぬくと、これが楽しい。

「富士日記」 武田百合子


冬の本というか、冬になると読みたくなる。
夫・泰淳に「何も書くことがなかったら、その日に買ったものと天気だけでもいい」
と言われて綴られた富士山荘での日記。
日々の瑣末な出来事を追ううち、彼女と生活しているような心持になる。
愛犬ポコが死んでも、お腹はすく。買い物もする。
そして、その行間に彼女は泣く。何を見ても涙が出てくる。
「ポコ、早く土の中で腐っておしまい」素っ気なく書かれた一行に、
百合子さんの姿を見て、彼女に夢中になる。
百合子さんと一緒にいたくて、読み終わりたくないから、だらだらと頁を繰る。
毎年、お正月は「富士日記」を読んでごろごろ過ごしたいなあと思いながら、
果たせずにいる。

 

「冬の本」 夏葉社


まさに冬のための本で、84人の「冬」と「1冊の本」をめぐるエッセイ。
冬に読んだ本、冬になると思い出す本。まるで冬のような本。
この本を、冬に誰かに贈るのもいいかもしれない。
誰かの冬の本の記憶が、また別の誰かの冬の記憶とつながるかもしなれい。
拙文ながら、私も書かせて頂きました。
それはさておいて、いい本です。